箏曲合奏の中の尺八の音 サトキチ

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 八月には三絃(三味線)、そして先月には箏の音への拘りについて書いてみましたが、今月は尺八の音について少々書いてみようと思います。なぜ尺八を吹けない人が尺八の音について語るのだろうと、ご覧の方には憤慨している方もいるかも知れませんね。そんな方は少し我慢して読んで見ては意かがでしょうか。

 箏や三絃(三味線)を弾く方で尺八と合奏をしている時に、尺八の音の出し方が気に成った事はありませんか。おそらくこの様な事があったとしても、相手に思うような事が言えなくて困った事もあるかも知れません。特に相手が男性なので言い難いとか、自分よりも立場が上だったりして、やはり言うにはかなりの勇気が必要です。そんな事からつい我慢してしまいます。
 そんな人達の気持の表れが見られたりするのが、箏と尺八とを合奏している時の音取りかも知れません。この様な様子を見ていると互いの上下関係が見えたりしてとても興味深いです。
 その時に自分のチューナーを持っていても、尺八から音を戴いて調弦する人がいます。この様な光景を見ていると首を傾げたく成ります。こんな時には最初から音が合ってなかった、こんな笑い話みたいな事が起こる時もあります。その理由が仕方が無かったなんて言うのは余りにも虚しいです。

 自分はこの様な方法を行う事は意味が無いので行っていません。尺八の吹いた音がいつも一定の音とは限らないからです。それに尺八は吹いている間に竹の中が暖まり、音程が若干上がります。自分の楽器の音と音の高さがずれて行くので、それを弾きながら直すのは面倒ですから。だから前以てその尺八のピッチを聞くとか調べておき、練習時を含めてその尺八とはそのピッチで常に調弦します。この方法が自分にとって安全な方法なんです。

 最近では尺八の人もピッチを気にしている人が多いです。442とか、中にはもっと高い人もいます。そのような人の中には自分が高いと自慢する人がいますが、ピッチの高さは上手下手に全く関係がありません。むしろ下手な人ほど高いピッチを好む傾向にあります。
 確かにピッチが高いほど良く響いている様な気がするかも知れませんが、これは単に吹き口に息を強く当てているだけの事が多く、その分息を無駄に使ってしまいます。この様な方法ではいつも大きい音を鳴らす結果に成り、弱い静かな音を鳴らす事が逆に難しく成る事を知らずにひる人もいます。
 尺八やフルート、トランペット等の吹奏楽器の場合、高い音を澄んだ細い響きで静かに鳴らすのは尤も難しいです。是非尺八を吹かれる方は挑戦して見ると良いですよ。自分の吹いている尺八が思っている以上に難しい楽器である事に改めて気付きますから。

 最近では音が高いとか低いとかを指摘されても、気分悪くする尺八吹きは少なく成って来ました。昔はそんな事を言われると嫌がっている人も多くいましたが、今では自分でチューナーを眺めながら高いとか低いとか言いながらチェックしています。時代も変わりましたね。むしろ貴方の半本はいつも少し低いと言った風に、勝ち誇ったようにチューナーを除きながら言う人が居るくらいですから。
 何も知らないと言うのはこんなものかも知れません。言わなければその曲を上手に吹く方法を色々教えて上げたのに、自分からその貴重な機会を失ってしまうのだからお気の毒さま。こんな事を思わされる時がたまにあります。

 前置きが長く成ってしまいましたが尺八の音について話をします。勿論私が言うのは箏曲が必要としている尺八の音の事です。尺八は禅宗の一派である普化宗の僧侶達によって修行の一つとして吹かれていました。特に修行僧に成りたてでまだお経が上手によめない時には虚無僧として尺八を吹きながら、一軒一軒門付けをしながら托鉢をしに回っていました。その為に尺八には迷いの無い力強く大きな音を出す事が必然的に要求されています。
 今でも尺八の本曲ではこの様な傾向の吹き方が受け継がれています。 しかしそれに反して箏曲は室内音楽として発展して来ています。察しの良い方はもうお気付きかも知れません。それまでの尺八は屋外で吹く楽器であり、箏は室内で行う音楽だと言う事なのです。つまり尺八が室内音楽に加わった事に成りますので、箏曲の中で吹くには室内の音楽に適した音の響きやそれを鳴らす為の技法が要求されると言う事なんです。この辺の事を少し考えながら吹いて戴くと合奏がより面白いものに成ります。
 今回の話はこの辺までにして起きます。

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